
鍼灸とは?

鍼灸(しんきゅう)は、東洋医学の理論に基づき、「鍼(はり)」と「灸(きゅう)」という2つの技術を用いて身体の調整を行う伝統的な手技療法です。中国を起源とし、日本では数百年にわたって発展してきた歴史があります。
『鍼』とは
鍼(はり)は、極めて細い金属製の鍼を体表にある「経穴(けいけつ)」、いわゆるツボに刺入し、微細な刺激を与える方法です。一般的に使用される鍼は、髪の毛ほどの細さで、先端も丸みを帯びており、痛みを感じにくいように工夫されています。使い捨て(ディスポーザブル)の鍼が一般的に使用されており、衛生面にも十分配慮されています。

『灸(きゅう)』とは

灸は、ヨモギの葉から作られる「もぐさ」を使い、体の表面に温熱刺激を与える手法です。直接皮膚に置いて熱を伝える直接灸や、台紙などを介して行う間接灸など、様々な方法があります。やさしい温かさを加えることで、体がゆるみやすくなる効果が期待されます。
鍼灸の考え方
東洋医学では、「気(き)・血(けつ)・水(すい)」のバランスや、「陰陽(いんよう)」の調和といった概念を用いて、身体全体の状態を整えることを重視します。鍼灸もまた、単なる局所治療ではなく、体全体の流れや内外の環境との関係を踏まえて行う点が大きな特徴です。
一方で、西洋医学では、神経・筋肉・血管の構造や作用といった解剖学・生理学に基づいて、痛みや不調の原因を科学的に分析し、アプローチします。近年では、鍼灸が自律神経系の調整や血流改善、筋緊張の緩和などに効果があることも研究によって明らかにされており、エビデンスに基づいた施術として注目されています。
日本において鍼灸を行うには、国家資格である「はり師」「きゅう師」の免許が必要であり、法に基づいた適切な知識と技術のもとで施術が提供されます。また、鍼灸の適用範囲や施術方法は個人差があるため、施術前にしっかりと問診と説明を受けることが大切です。
新宿御苑山本鍼灸整体院では、東洋医学の伝統的な視点と西洋医学的な分析の両面をふまえながら、お一人お一人の体の状態や生活背景に合わせた最適な施術を行っています。

整体とは?

整体とは、身体の構造や機能、動作バランスに注目し、手技によって筋肉や関節の調整を行う手法の総称です。日本では民間療法として広く浸透しており、国家資格ではなく各施術者の教育・経験に基づいて施術が行われています。
整体の目的とアプローチ
整体は、身体に現れる歪みや偏り、筋肉の緊張、関節の動きの制限などに対してアプローチします。身体の一部分だけでなく、全身を一つのユニットとして捉え、構造と機能のバランスを整えることを目的としています。
姿勢の崩れや日常生活での偏った動き、運動不足、長時間の同じ姿勢などが原因で筋肉に過剰な負担がかかると、疲労やこわばり、動きの制限などが現れることがあります。整体ではこれらの状態を丁寧に確認し、必要に応じて筋肉をほぐしたり、関節の可動性を整えたりする施術が行われます。

筋膜へのアプローチ(筋膜整体)

近年注目されているのが、筋肉を包む「筋膜(きんまく)」の動きや癒着に着目した整体です。筋膜は全身に張り巡らされた組織で、姿勢や動作に深く関与しています。筋膜の癒着やねじれが起こると、動きにくさや違和感の原因となることがあるため、それをやさしく緩めることで本来の動きやすさを引き出すという考え方です。
このような施術は「筋膜リリース」「筋膜整体」などと呼ばれ、強い力で揉みほぐすのではなく、ゆっくりとした圧や繊細な動きで身体に働きかける方法が取られています。
整体と国家資格の違い
整体自体には明確な国家資格制度はありませんが、柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師、理学療法士など、国家資格を持つ施術者が、法的範囲内で手技療法を提供する場合もあります。受ける際には、施術者の資格や経験、施術方針を確認することが望ましいとされています。